「一生懸命歯を磨いているのにどうして虫歯になっちゃうの?」
お口の中のトラブルの「原因」は、虫歯や歯周病と相場が決まっていると思いがちです。
ところが、それ以外にもトラブルを加速させる要因があることをご存じですか?
それはいったい何なのでしょうか?
「噛み合わせ」なんです。
噛み合わせが悪いことでどんな影響があるのか?正直想像がつきません。
ならば!先生に聞いてみましょう!
2006年に学校を卒業して、自分が歯医者になって、もう15年経つんです。実は、自分の歯の痛みが噛み合わせを治療したことで症状が改善したという経験があるんです。
噛み合わせの大事さを再認識したのは、SJCDという学会に行ったこともキッカケです。
歯医者さんでの治療って、痛いから虫歯、歯が揺れているから歯周病、歯が抜けたからインプラントや入れ歯というように、治療科目はイッパイありますよね。局所的に見るだけでなく、お口全体を診て、その人の今の噛んでいる噛み合わせが不正なのか?正しいものか?そして、どこがゴールなのか?歯医者さんとして、そこが大事だということを伝えなきゃ!と思ったんです。
はい。困った部位を修復して噛むという機能を持たせるだけでなく、もっと俯瞰して診査しないと。痛いから、虫歯だから、削ってほしいと歯医者に来た、でも実は他に全然違う原因があることもあるんです。
「その痛み、本当に虫歯ですか?歯周病なんですか?その原因、本当は何ですか?」という事です。一緒に具体的に見ていきましょう!
(インタビュー:2020年11月10日)
肩こり、歯がしみる、頭痛がする・・・そのような日々あなたが感じている辛いこと、噛み合わせが影響しているかもしれません。
噛み合わせが強くて、歯ぎしりすごくて、歯が削れて知覚過敏になって歯がしみていしまう事があります。
噛み合わせが悪くて、肩こりがひどかったり、頭痛がしたり不定愁訴を訴える方もいます。
そのような診断の時に、マウスピースを作ったという方多いのではないでしょうか?
でも患者さんに聞くと「作ったけど使ってないです」という方、多いです。
どうして入れなくなるのでしょうか?
「歯ぎしりするから入れた」「すり減っているから入れた」でも効果の実感がなくて結局入れなくなってしまいます。
本当の問題点は、噛み合わせ、なのです。
その問題点のソリューショとして「スプリント」を使います。
噛み合わせを理想的にして、顎関節(がくかんせつ)を治す目的が含まれているのがスプリントです。
噛み合わせの模型をとって、スプリントの知識を動員します。
理想の場所で噛ませるのは、技術が必要です。
スプリントは、マウスピースやナイトガードとは正確には違いますが、形は似ています。
トータルのバランスを見て診査します。
目的と手段をきちんとお伝えして「なるほどそうか」と思ってから治療を進めましょう。
「虫歯の原因は?」と問われれば、下記の要因が思い浮かぶと思います。
糖分、バイキン、磨き残し、歯の質、フッ素塗布、だらだら食い・・・確かにそれも原因です。
実は、「強い噛み合わせ」もその一因ってご存じですか?
噛み合わせが強い人は、歯に亀裂が入ってしまうことがあります。
例えば、並んだ2つの歯があって、片方だけが虫歯になりやすいというケースがあったとします。
どうしてそのような事が起きるのでしょうか?
向かいの歯とのあたりが強いと、その歯に亀裂が入り、それによって細菌感染を起こすことがあります。「歯磨きもフロスもやっているのに、歯と歯の間の虫歯が多い」そんな場合は噛み合わせを疑ってみたほうがいいのです。噛み合わせが強いということは、虫歯のリスクが高いということを知っておいてください。
歯周病は口の中の細菌感染で起きます。骨粗鬆症や糖尿病の方は、免疫力が下がっていることにプラス骨の再生が悪いので、歯周病が悪化するスピードが速いといわれます。
実は最近、歯周病を悪化させる理由の一つとして「力」が大きな要因になることが分かってきました。「力」がかかる、つまり「強い噛み合わせ」という事です。細菌感染している部分に強い力が加わることで、骨の吸収(骨が溶ける)が急に高まります。
もちろん細菌感染を治すのが大前提ですが、力が加わることでスピードが加速するんです。ですので、リスク回避の方法として、理想的な噛み合わせにしておく必要があります。
また歯並びは、年齢を重ねるとズレてきます。「何で年齢を重ねると歯並びってズレるの?」
基本的には、歯は前を向いて斜めに倒れているんです。歯並びがキレイで動かない人もいますが、その一方どんどんずれる人もいます。
どこが違うのか?というと「噛み合わせ」です。不正なズレのある部分に力が加わって、噛み合わせの力によって動いているといえるといえます。
矯正医治療した人は、歯が後戻りしようとすることをご存じかと思います。噛み合わせは、変化します。歯科医院に定期メンテナンスに行ったとき、レントゲンで診査して噛み合わせのチェックをする事が大事です。
また、抜けている歯がある状態だと、噛み合わせはドミノ倒しのように他の歯にも影響を与えます。抜けた歯の治療法は下記の3つがあります。
→ブリッジ
→入れ歯
また、歯周病に関しては下記ページをご覧ください。
ストレスがかかると人は自然に食いしばります。すると、アゴの筋肉が緊張します。
自分がストレスや疲れを感じている時、著しく食いしばりをしていることに気が付きます。
私は仕事柄、「あ、食いしばっているな」と意識してしまいます。そうこうしているうちに、急に異常に歯が痛くなったりします。でも何で痛いかが分かっているから「筋マッサージ」とか、食いしばりをしないように自分に問いかけて意識する・・・2~3週で治りました。
自分も食いしばりで「痛い」という経験をして、患者さんの辛さがよく分かりました。歯の噛み合わせで、突発的に起きることを自分も突発的に実感しました。ですので、より強く説明してあげたいと思うのです。
家族にもマウスピース入れたりして実践してみたんです。勉強会で学んだこと、自分が実践したことで、困っている人たちに治る人がいることが分かったんです。
毎日の食事はおいしいと感じれば楽しみになりますが、歯がなくなった時のことを考えたら怖いなと思ってほしいです。そのために「正しい噛み合わせ」を知ってほしいと思うのです。
おいしいご飯をおじいちゃんおばあちゃんになるまで自分の口で食べられる・・・それがゴールです。
「これでいいのかしら?」歯並びのギモンあればぜひ聞いてください。